糖尿病は、現代医学の病名です。
漢方では糖尿病という病名はありません。
昔は、血糖や尿糖を計る機械はありませんでしたから、
糖尿病という病気の概念が無いのも当たり前の事といえます。
最近、漢方でも、糖を下げる作用があるものがいくつか発見されています。
ただし、これらのものは、体質に応じて使い分ける必要がありますから、
漢方に詳しい人によく相談してから使って下さい。
また民間薬として、いくつかのものも利用されています。

昔の漢方では、糖尿病をどのように治療していたのでしょうか。

糖尿病の症状として現れやすい、口渇、多食、痩せなどを、
消喝という一つの病態として把握していました。
また、異常に疲れる、痩せるなどの症状を虚労と言っていました。
ですから、「消喝病」とか「虚労」といった病名の一部分が、
現代医学の糖尿病と合致していると言えます。


消喝とは、異常にのどが乾いて、尿量が増える病気の総称ですから、
糖尿病以外では尿崩症などが含まれています。
消喝の治療は、つぎのようになります。

 上喝
   異常なのどの乾きを主とするものです。
   のどの乾き以外の症状はまだ、あまりありません。
   肺熱をとるような漢方薬などをよく用います。

 中喝
   のどの乾き以外に食欲の異常な亢進があるものです。
   体重は、増加する傾向がありますが、痩せていく場合もあります。
   胃熱をとるような漢方薬をよく用います。

 下喝
   体力の低下、足腰の痛み、多尿、痩せなどが主な症状です。
   腎の陰陽を調節するものを用います。

虚労は、異常な疲れ、精力の減退、痩せを特徴としています。
また、皮膚ががさがさして、目の下にくまが出来たりします。
糖尿病以外では、結核や、寄生虫病、栄養失調、肝硬変などが考えられます。

虚労の治療
   虚労は、糖尿病でも症状が一歩進んだ場合と考えられます。
   中国の有名な古典、『金匱要略』にも虚労が記載されています。


いずれにしても、糖尿病の治療には、漢方的な知識が必要なので、
漢方に詳しいお店でよく相談してお薬を選んでもらって下さい。

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