不妊症の漢方治療について その6 「卵巣機能低下型」


「卵巣機能低下型の漢方治療」

卵巣は、漢方では腎の一部分と考えています。
その中で、卵胞、卵子、ホルモンなどは腎の中の腎精に属していると考えています。

漢方では、脳下垂体から出る刺激ホルモンも、卵巣からでる卵胞ホルモンや黄体ホルモンも、腎精と考えて、詳しく分けてはいません。

ただ、治療する上で、下垂体型と卵巣型では違いがあります。


下垂体型では、すべてのホルモンが不足する傾向があるのに対して、卵巣型は、脳下垂体から出るLHやHSHはむしろ多くなっています。

卵巣の働きが悪いので、それを無理に働かそうとして、LHやFSHが多くなるのです。

現代医学でこれを治療するとき、まずスプレキュアやリュープリンなどでLHやFSHを少し減らして、卵巣を少し休めてから排卵誘発剤を使うとうまく排卵します。

例えば、働かない従業員に無理矢理仕事を押しつけても、ちっとも働きません。
少しやる気を出すためには、仕事を一旦減らしてあげる事が必要だからです。


卵巣機能低下型は、脳下垂体型とは違って、LHやFSHの量は多いので、更年期に近い状態になります。

治療としては、腎精を補う事は勿論必要ですが、それだけでは不足です。

機能が低下した卵巣の働きを回復するためには、周期療法を使います。

周期療法が一番効果をあげるのが、この卵巣機能低下型です。

卵巣は、低温期の時に卵胞が発育し、それがはじけて排卵します。

そこに黄体が出来て、黄体ホルモンが分泌され、高温期になります。


低温期は種を作る時期です。

排卵期に種の芽が出て、高温期に芽が育っていく状態と考えます。

ですから、低温期は良い種を作る事が必要です。

中医学では「種を補うには種を使う」つまり種子や実の漢方薬を使います。

発芽の時期は、陰から陽に変化する時期です。

この時期は堅い実が殻を破って芽が出る時期で、動きのある生薬を使い発芽を助けます。



高温期は、すくすくと芽が育つ時期です。

この時期は、太陽の光と水が大切です。

水にあたるものは、血液と津液です。

太陽の光にあたるものは、腎陽です。

これらをうまくバランスをとって補っていきます。


漢方薬は、疲れた卵巣に鞭を入れて無理矢理働かせる事はしません。

卵巣が仕事をしやすいような環境を整えてあげるのです。

また、ホルモン剤のように、仕事そのものを手伝う事はしません。

卵巣の代わりに仕事をしてしまうと、卵巣はますます働かなくなると考えているからです。

そのかわり、卵巣が働きやすいように、栄養を与え、気力を与えています。

このようにすると、自然に卵巣の機能が回復して、自分の力でホルモンを分泌出来るようになるのです。

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