不妊症の漢方治療について その5 「脳下垂体型」


脳下垂体型の漢方治療

脳下垂体が、漢方ではどの部分に相当するかというのは難しい部分もあるかも知れませんが、多くの場合、これを腎と考えます。
腎の中でも、一番深い部分、腎精が脳下垂体の機能に近いものだと考えられます。

(勿論、漢方と現代医学は、別の医学体系ですから、単純に「脳下垂体=腎精」とは言えません。)

漢方は、あまり部位にこだわっていません。
漢方が発展したころ、まだ解剖というのは普通の事ではありませんでした。
ですから、腎がどこにあるとか、細かい部位にはこだわっていないのです。

現代医学では、腎というと、一つの臓器を指します。
しかし、漢方では、腎というと、臓器ではなく、いくつかの働きの総称と考えます。
ですから、腎を現代医学で説明すると、体のあちらこちらに散らばってしまうのです。
例えば、骨、耳なども腎の一部分です。
腎精は、腎の中でも一番深い部分にあるものです。
骨髓、脊髄、脳、ホルモン、染色体などが腎精に相当します。


話が少しそれますが、腎精の働きの中で造血はあまり言われていません。
しかし、骨髓が腎に属する事、腎臓から出るホルモン「エリスロポエチン」が造血に関わっている事などから、腎精と造血は深い関係があります。


話を戻して、この部分の機能が低下している場合、漢方では、どのように治療したら良いでしょうか。

腎精を補うために、最も必要なものは「血肉有情之品 =動物生薬」を使います。


ただし、腎精を補うものを一生懸命とっても、血行が悪いとそれが腎の一番深い部分まで入りません。
ですから、動物生薬と一緒に血流を良くするものが必要です。

また、前回述べたように、脳下垂体は、視床下部の影響を受けているので、肝を調節する作用のあるものも併用する事が大切です。

脳下垂体の機能が衰えて生理が来なくなる病気の一つに「シーハン症候群」があります。
ただ、これはお産の時の大出血にともなって起こる事が多い病気で、不妊症とはあまり関係が無いので、今回は割愛します。

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