中枢性の排卵障害

中枢性の排卵障害としては、視床下部型、脳下垂体型があり、これ以外に高プロラクチン、ホルモンバランスなども含めて考えてみます。

まず、中枢性というのは排卵しない原因が卵巣ではなく、脳あたりにあるという意味です。これを理解するためにFSHとLHという2つのホルモンを考えてみる必要があります。FSHは脳下垂体から分泌されて卵巣に卵胞をふくらませるように命令する刺激ホルモンです。LHは膨らんでき来た卵胞を排卵させる作用があります。ですからこの2つのホルモンが正常に働かないとうまく排卵できません。

FSHとLHは脳下垂体から分泌されますが、そのためには視床下部からのGNRHというホルモンが必要です。視床下部は自律神経などの中枢で、色々な仕事をしています。もし視床下部が忙しくてGNRHを分泌しないとFSHもLHも出なくなり、排卵障害となります。これはストレスで生理が来ないなどの場合によく見られるものです。ただ、一時的な事が多く、ストレスがなくなれば自然に回復していくケースが多いです。もし漢方を使うなら、ストレス対策に良い理気薬などを使っていきます。

脳下垂体の働きが悪いと、視床下部からGNRHが届いてもFSHやLHを分泌する事が出来ないので、やはり排卵障害になります。またFHSとLHのバランスも大切です。卵胞が膨らむまではFSHが多く、排卵が近づいてくると今度はLHが多くなります。このバランスがとても大切で、もし卵胞が膨らんでいないのにLHが多くなってしまうと、卵胞が膨らんでいないのに排卵しろという命令が来る事になるので、卵巣は混乱してしまいます。脳下垂体の働きが悪くなる原因の一つとしては極端なダイエットがあります。太り過ぎの人は妊活にとってダイエットはとても有効ですが、痩気味の人がさらに痩せようと無理なダイエットをすると生理がとまってしまいます。この場合、体重が戻っても生理はなかなか回復しない事が多いので要注意です。

これ以外に高プロラクチンというものがあります。プロラクチンは母乳を出すホルモンですが、同時に排卵を抑制する作用もあります。授乳中に生理が来にくいのはプロラクチンの影響です。授乳中でも無いのにプロラクチンが多く分泌されると基礎体温がギザギザになり排卵しにくい状態となります。昔からよく使われているものに入麦芽があります。入麦芽はもともと回乳と言って断乳に使うものです。

中枢性の排卵障害で視床下部型か脳下垂体型かよく解らない場合はLH-RHテストというものを行います。これは視床下部から分泌されるGNRHと同じものを注射して、脳下垂体の反応を見るものです。脳下垂体に異常が無い場合はFSHやLHが正しく分泌されます。もしGNRHを注射してもFSHやLHが上がらない場合は脳下垂体に問題があると判断します。脳下垂体に異常がある場合は飲み薬の排卵誘発剤は効き目が悪いですが、注射の誘発剤は効くのが特徴です。